マウリツィオ・ポリーニ

タワーレコードでマウリツィオ・ポリーニのCDセットを2セット購入した。1セットに3枚入っており計6枚である。いずれもポリーニ初期の録音で輸入盤のコーナーで見つけた。ポリーニはご承知の方も多いと思うが1942年1月生まれで現在73歳、1960年のショパンコンクールで若干18歳で優勝。この時の審査委員長のルービンシュタインが「今ここにいる審査員の中で彼より巧く弾けるものが果たしているであろうか」とのべ、審査員全員一致で優勝。しかしすぐにデビューせず更に研鑽を重ね(他にも理由があったようだが)8年後の1968年にデビューを果たしている。この経歴を見てもポリーニを好きにならずにはいられない。私が最初に出会ったポリーニのLPは、38年前でベートーベンピアノ協奏曲第4番。カール・ベーム指揮ウインフイルの演奏で1976年6月の録音。77年に購入した。この4番を聴いてから数あるピアノ協奏曲の中でベートーベンの4番が一番好きな協奏曲となった。現在4番は我家にCDが9枚、LPが4枚あるが、未だにポリーニの盤が一番好きである。第二楽章だけを取るとラドゥ・ルプーの盤が好きなのだが、総合的にポリーニの盤にかなわない。

今回購入したCDの1セット目は「ザ・アート・オブ・マウリツィオ・ポリーニ」と言うタイトルで、2012年1月にドイツグラムフォンからリリースされた3枚組で、ベートーベンの「皇帝」が入っているのが嬉しい。録音は1979年で指揮者もオーケストラも4番と同じである。その他にはモーツアルトのピアノ協奏曲第24番やショパンのピアノ協奏曲1番、ストラビンスキーのペトルーシカ、ベートーベンのピアノソナタが入っている。何よりも嬉しいのはポリーニや家族の写真とデスコグラフイーが本になっている(輸入盤なので書いてある内容はチンプンカンプンなのだが)ことである。もう1セットはすべてショパン物でエチュード、ポロネーゼ、24の前奏曲の3枚。いずれも評判の高かったポリーニの初期の代表策である。40年以上前の録音であるが、未だに技術的にこれを凌ぐ演奏はないと評されています。最近のポリーニは70年~80年代の圧倒的なテクニックは影をひそめ、衰えが目立つと言う批評家がいるがそんなことはないと思う。

音楽雑誌にポリーニがベートーベンのピアノソナタ全集を完成させたと載っていた。1975年6月より始めて実に39年の歳月をかけ2014年6月に完成させている。早速最新録音のソナタ16盤~20番購入し聴いてみた。ジャケットの写真は流石に73歳と年齢を感じさせるが、音楽は若々しくテクニックの衰えなど微塵も感じない。これを聴いてポリーニのピアノソナタを全曲揃えたくなったが一部廃盤になっていてセット物で揃えるしか無いようだ。音楽家の73歳はまだまだ老ける歳ではないので、これからも沢山の録音を残して欲しいと思いました。  人生黄昏

P1030382
76年のベームとポリーニ
P1030383
ラドゥ・ルプーの4番
P1030385
ザ・アート・オブ・マウリツィオ・ポリーニ
P1030386
初期のショパンセット
P1030394a
ベートーベンピアノソナタ16番~20番

先見の明

今年の4月頃、話題になっていたお笑いの又吉直樹の’火花’が家にあった。普段滅多に本を買うことのない妻に尋ねると、友達とシェアしたのだと言う。所有権の気になる私としては、最終的にどちらの所有になるのと聞くと、知らないと答える。私が先に読むから友達でないのと、気にもかけていない。

やがて読み終わった妻が私に読むかと尋ねるので即座に断った。本来こうゆう類の本は読まないし、すでに30万部を突破していたベストセラーなどには安易に飛びつかない。

この’火花’が芥川賞の候補に挙がっただけでも驚きだが、実際に賞を取ってしまったのには吃驚した。

ニュースキャスターの古館伊知郎さんがニュースで「あれ?」と否定的な発言をしてネットで叩かれていたが、同じような感想を持った人も多かったのではないか。

この受賞で妻は勝ち誇ったように「私、先見の明があるでしょう」と、盛んに自慢していたが返す言葉が見つからなかった。当分おとなしくしていよう。

芥川賞受賞作の単行本としては、村上龍の’限りなく透明に近いブルー’の131万部を抜いてこの’火花’は現在169万部で歴代一位になったそうです。

会社に行くとY女史が受賞のニュースを聞いて早速本屋に走ったが売り切れで無かったと言っていた。

今頃買いに行くなんて、先見の明がないね。    人生黄昏

中古本探し

大手スーパーに中古本のコーナーがあった。今日、明日の2日間開くとの事だった。 掘り出し物がないかと、ちょっと覗いてみる。

かなりの数の本が乱雑に並べてあったが、いずれも程度は悪くなさそうだった。その中にJ・G・バラードの「コカイン・ナイト」という単行本があった。表紙には紛れもないイギリスの現代ミステリー作家と書いてあった。バラードはSFの作家で「狂風世界」、「沈んだ世界」、「燃える世界」、「結晶世界」など初期(1961年~1966年)の作品は、若かりし頃貪るように読んだ記憶があった。中期の作品「太陽の帝国」(1984年)は、スピルバーグ監督で映画化されて評判を呼んだのを覚えている。しかしながらバラードがミステリー作家だというイメージは無かったので興味が湧いてきて買うことにした。

次に目に止まったのはピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの木陰から」で、家には「南仏プロヴァンスの12ケ月」と、もう一冊あるのだが題名を覚えていない。ひょっとしたらダブルかもと、思ったが程度が良く価格も200円と安かったので買うことにした。

続いてはアメリカの作家、ロス・トーマスの「五百万ドルの迷宮」で、ロス・トーマスは好きな作家の一人で家には7~8冊あるが、この本を持っているかどうか分からなかったので購入することにした。まだまだ欲しい本があったがじっくり探している時間も無かったので3冊で止めた。

家に帰って早速パソコンで調べるとバラードは文庫本で12冊あったが、今回購入した本は無かった。 ピーター・メイルも家にあったもう一冊は「南仏トリュフをめぐる大冒険」で、今回の本はメイルの2作目だと分った。メイルの本はどこから読んでも良くて寝る前にちょっと読むのに適している。本棚に並べると見栄えも良い。こんな程度の良い本が200円で手に入るなんて、中古本探しは止められない。  ロス・トーマスは残念ながら文庫本で買ってあった。そもそもロス・トーマスは寡黙な作家で、作品はそんなに多くない。発行されている本は全部あって「五百万ドルの迷宮」も、読んだことになっているのだが、粗筋を読んでも全然思い出さなかった。今回ダブってしまったが文庫本と単行本なのでまあいいか。

今はパソコンに買ってきた本を打ち込めば、ダブルとすぐに分かるので、新書なら翌日レシートと一緒に持ち込めば他の本と交換してくれるのだが、中古本だとそうもいかない。昔パソコンのない時に、同じ本を2年間で4冊も買ったことがあって、その時はだいぶ落ち込んだことを思い出した。

                           人生黄昏

東京喫茶店巡り(その四)

今日は最終日、羽田発16時時のフライトなのでそれまで有効に時間を使いたいと思いホテルを早めにチェックアウトする。今日の予定は吉祥寺のメグとバロックである。新宿から吉祥寺まではJRで8駅だが、早く着いても開いていないので、遠回りして京王線で行くことにした。新宿から明大前で井の頭線に乗り換え吉祥寺までは14駅。運賃は驚く程安く195円だった。総じて東京の交通機関は安くて面白い。時間がたっぷりあるので吉祥寺の一つ手前の井の頭公園駅で下車し探索することにした。この公園は都民の憩いの場所で今日の天気は爽やかで家族連れやジョギングをしている人々が多数。池には噴水が沢山あって清々しい気分になる。ちなみに日本一住みたい街関東編では、吉祥寺が一位になったそうです。公園を探査しながらJR吉祥寺駅まで歩いていくと12時を過ぎたので早速ジャズ喫茶メグに向かう。ここも3年前に一度訪れているので迷うことなくすんなり到着。雑居ビルの2階へ上がっていくとシャッターが降りていて開いていない。がっかりしたが日曜日の開店は13時からかもしれないと思い直し、隣にある名曲喫茶バロックで時間を過すことにした。全国でも珍しくジャズとクラッシックの喫茶店が並んでいる場所はここしか知らない。中に入るとイギリスのヴィタボックスと言う名の大きなスピーカーが目に飛び込んできた。30年ぐらい前に札幌の喫茶店にも置いてあったが、最近は見かけることのない珍しいスピーカーでクラッシックによく合うと思う。隣にあったタンノイのスピーカーが小さく見えた。カウンターにLPレコードが積んであったが、誰もいない。声をかけたが誰も出てこないので泥棒と間違われないうちに退散する。隣のメグは3年前に訪問したときは、貸切状態で感激したことを思い出した。ドイツ製のアバンギャルドと言う名の真っ赤な洒落たスピーカーからジャズが流れていた。店番していた若い娘に聞くとコーヒーを1,000円に値上げしたら誰も来なくなったそうです。今時の学生さんはジャズを聴かなくなったと嘆いてました。オーナーの寺島晴国さんはオーディオ、ジャズ関する本を40冊ぐらい出していて喫茶店では食っていけないと本に書いていました。吉祥寺の駅に戻って駅前のレストランでパスタのセットを頼む。値段は1,650円で昨日の昼食の倍もしたのにあまり美味しくない。今日は何をやっても外れ。時計を見たらまだ羽田には余裕があったのでもう一度メグに挑戦する。2階に上がるとシャッターが上がっていて、ジャズが流れてきた。やったーと叫んでドアを開けると入口にいたオーナーの寺島さんに、今日は14時からだよ後で来て、と言われる。どうやらステージでどこかの楽団が練習しているらしい。そう言えばオリンパスのマスターが「メグは、喫茶店でなくてライブハウスだよ」と言っていたのを思い出す。14時まで待っている時間もないのでこれで喫茶店巡りは終りにし、吉祥寺を後にする。

今回の喫茶店巡りは計画通りいかず、まだまだ行きたい喫茶店も何軒かあったが、おかげさまで至福のひと時を過ごすことができた。ジャズ喫茶店はオーディオ装置に拘り、名曲喫茶店はインテリアに重きを置いていて、どちらもLPレコードをメインにしていた。今回の旅は、今流行の自分探しの旅と言えないこともない。又、チャンスがあったら挑戦したいと思う。            (写真は3年前のメグ)     人生黄昏  

TTS_6473
アバンギャルドのスピーカー
TTS_6472
LPレコードの数々

                  

東京喫茶店巡り(その三-3)

四ツ谷のジャズ喫茶イーグルは3年前に一度訪れているのですんなり見つかるかと思ったら、四ツ谷駅の出口を間違えて駅をぐるっと一周する羽目に。ようやく看板を見つけ階段を降りるとドアを開ける前からマイルスのSoWhatが流れてきて期待が膨らむ。中に入ると少し混んでいたが空いている席はどこでも良いと言われチーズケーキセット(820円)をオーダーして奥の席をゲット。周りを見ると皆常連客のようだった。SoWhatが終わると突然マイクを持った小柄なおじさんが出てきて、今聴いた音楽の解説を長々と始めた。まもなくコーヒーセットを持ってきたお兄さんがA4の紙を一緒に置いていったのでそれを見ると、今日はサックス奏者のジョージ・コールマンの特集で解説者は林建紀さんだと分った。私はジョージ・コールマンを知らなかったが解説によるとリーダーアルバムは2~3枚しかなくほとんどがサイドメンに徹しているとのこと。解説の紙には今日掛けるコールマンの曲目と今まで出したアルバムが裏表にぎっしりと書いてあった。今日の特集では8曲(91:30)掛けることになっているが解説が長々続いてなかなか次の曲に移らない。日もすっかり暮れたのであと1曲残してレジに行って1,000円札をだすと足りないと言う。820円でないのと聞くと講演代600円ぷらすとの事。納得して1,420円を支払店を出る。流石にイーグルは全国でも1.2を争うジャズ喫茶店で店は明るくモダンで綺麗だしオーディオシステムは、スピーカーJBL4344Mk2、プリはアキュフェーズC280V、パワーはマークレビンソン23.5L、アナログプレーヤー はヤマハGT2000とため息の出る名器ばかり。これに対抗できるジャズ喫茶は一関のベイシーと吉祥寺のメグぐらいか。家に帰ったら当分ジャズは聴く気になれないかも。ちなみにイーグルも撮影禁止になってました。3年前は撮影OKだったのに。とってもハッピーな気分になって今日1日を終了する。  人生黄昏

TTS_6479
3年前のイーグル マイクをもってるのは伊藤八十八さん
TTS_9299
イーグルの入口

 

 

 

東京喫茶店巡り(その三-2)

渋谷のライオンを後にして次に中央線の高円寺にある名曲喫茶ネルケンへ向かう。ここは地図通りにあっさりと見つかったが一軒目のライオンで時間を取られた為1時を過ぎていた。まずは腹ごしらえと近くを探すと、すぐそばに小さなパスタの店があったので入って本日のパスタを注文する。客は一人もいなかったので、ハズレの店かと思ったらこれが違って大当たり。美味しいパスタにサラダとドリンクが付いて850円は安い。特した気分でネルケンへ向かう。店に入ると店内は薄暗くチャイコフスキーのバイオリン協奏曲がかかっていた。店には大小18以上の風景、静物画が所狭しと飾ってあり、彫刻も何点か置いてあって厳かな雰囲気を醸し出していた。オーナーのお婆さんにに聞くと、創業60年になりますよとの事でした。テーブルや椅子なども年代物で格調高い喫茶店に思えた。使用しているオーデオ装置にはあまりお金を掛けていないらしくスピーカーも小さかった。コーヒーは500円と安く、他の店もそうだが良い音楽を聴きながら1日を過ごすとかなり得をした気分になる。ネルケンはクラシックをガンガン聴くのではなく恋人同士や、会話の無くなった夫婦がゆったりとした時間を過ごすのに相応しい場所に思えた。

続いて高円寺のもう一件の名曲喫茶ルネッサンスへ向かう。ここもすぐに見つかり店内には3~4人の先客がいた。空いている席に座ろうとするとレジのお姉さんが寄ってきて先にオーダーし、支払いを済ましてから好きな席に座ってくださいと言われる。コーヒーを注文すると400円と安く印象度アップ。古い時計や、ラッパの付いた蓄音機、ビクターの犬の置物、ダイヤル式の黒い電話などが乱雑に置いてあってかなりの年代を感じたが、低い天井に大きなエアコンが付いておりそこから太い配管が各テーブルの上に延びており景観を損なっていた。創業からかなり経っているのかと思いきや意外と新しくオープンは2007年11月とのこと。音楽はLPレコードがメインで店内は薄暗く読書に適していないので、一人瞑想に耽って時間を過ごすのが一番かと思う。日もだいぶ傾いてきたので今日一番の目的地四ツ谷のジャズ喫茶イーグルへ向かう。    人生黄昏

TTS_9295
名曲喫茶ネルケン
TTS_9297
名曲喫茶ルネッサンス

東京喫茶店巡り(その三-1)

今日は朝から気合を入れて4~5軒回るぞと意気込んで一軒目は渋谷のライオンと言う名曲喫茶店に決めた。11時のオープンなので早めに渋谷に行ったら時間があったので渋谷ヒカリエに行ってみる。できた当時は話題になっていたが他のデパートとたいして変わりが無いように思えた。10時半ころ例によって地図を頼りに目的地に向かうが今度もたどり着かない。何しろ渋谷は細く曲がりくねった路地が沢山あってひとつ間違えると全然違った場所に行ってしまう。いくら探しても見つからず買い物かごを持って立ち話をしていた地元のおばさん二人に尋ねると、詳しく教えてくれた。早速店に入るとベートーベンのピアノソナタが流れていた。正面に見たことのない大きなスピーカーがあって後で調べたらパイオニアの特注品と解った。ここは好きな場所に座れて2階席もあり、さながら小さなコンサートホールみたいだった。テーブルに5月のLPコンサートプログラムが乗っていて、それを見ると今日はロシアのピアニスト、リヒテルのベートーベンのピアノソナタ第23番、第12番となっていた。プログラムには真のHiFi ライオン・コンサート 立体音響と書いてあっていかにも昭和元年の創業に相応しい匂いがした。コーヒー(550円)を頼んで音楽に没頭すると、サーという耳障りなノイズが聞こえて来る。古いLPでもかけているのかと思ったが、よくよく聴いてみるとスピーカーの横に置いてある扇風機の風を切る音だと解った。冷房完備と書いてあったので真夏にはエアコンが稼働するのかな。  客のリクエストを受け付けるとの案内があったが、一見さんなので今回はやめた。 使用しているLPプレーヤーはデノン、アンプは不明。基本はLPレコードでたまにCDもかけるみたいだった。音楽はレトロで程よい音で鳴っていました。ここも撮影禁止とのことでした。

一軒目であまり時間を取るわけにもいかず、程々で店を後にする。  人生黄昏

TTS_9286
昭和元年創業のライオン

東京喫茶店巡り(その二)

今日は色々予定が入っていて、喫茶店には夕方行くことにした。今日の予定は山手線の高田馬場にあるマイルストーンという名の喫茶店で名前がいかにもジャズ喫茶店らしい。この店のスピーカーは昨日の店と同じくJBLのオリンパスとなっていた。早速高田馬場駅を降り地図を頼りに目的地に向かうが見つからない。通りすがりの人や店員に聞いても解らない。思い切って電話をかけると愛想の悪い声がして五軒先だよ言われ、行ってみると目立たない看板が目に入った。中に入るとJBLオリンパスが店奥の中央に置いてあり良い音で鳴っていた。早速スピーカーと対面する真ん中の椅子に座ろうとすると、愛想の悪いマスターに端に座れと言われた。どうも東京のジャズ喫茶は客の混み具合にかかわらず好きな場所に座ってはいけないらしい。メニューを見るとかなりコーヒーにはこだわっていて、アメリカンやブレンド物はなく頭に産地の名のついた物が多かった。マンデリン(550円)を頼むと豆を挽く音が聞こえコーヒーに対するこだわりを感じた。ここも撮影禁止の張り紙があった。              店には常連とおぼしき客が2名いてノートパソコンを操作しながら音楽に浸っていた。壁には本棚があってジャズに関する書物が沢山並んでいた。昨日のオリンパスはスーパーツィーターをスピーカーの上に乗せていたがここはスコーカーとスーパーツィーター2個をスピーカーの上に乗せて鳴らしていた。かかっていた曲名やミュージシャンの名は解らなかったがテナーサックスの音が心地よく響き何時間でも聴いて居られそうだった。2時間ほど粘って日も暮れたので後ろ髪を引かれる思いでホテルに帰ることにした。支払の時、レジの奥を覗き込んだが使用しているアンプやプレーヤーは解らなかった。足元を見ると今日かけたLPが山のように置いてあり、閉店したあとの整理が大変だなーと思った。

後で調べたらマイルストーンの創業は1976年になっていた。

ホテルに戻る途中新宿のタワーレコードに寄ってクラッシックのCDを7枚購入し、デパ地下で夕飯を購入して2日目が終わった。  人生黄昏

TTS_9273
マイルストーンの入口

 

東京喫茶店巡り(その一)

毎年行っている大学の同窓会を今年は四国でやりたいと、埼玉に住んでいる幹事から2月初めに連絡があった。5月中旬に東京に集合して2泊3日で四国に行くとの連絡を受け東京往復の早割の航空券とホテルを予約した。ところが4月末に四国の仲間の体調が悪くなり、急遽同窓会は東京で行うことになった。今更航空券の変更はできないので予定通りの日程で東京へ行くことにした。今回はお目付け役のうるさい妻が同行しないので、たっぷりある時間をかねてから行きたかったジャズ喫茶巡りをすることにした。ネットで調べると意外と数が少ないので、名曲喫茶も仲間に入れることにした。一軒目は御茶ノ水にある有名なジャズ喫茶オリンパスにした。オリンパスとは元々アメリカのJBLのスピーカーの名前で1960年~75年に製造され、当時1台50万~60万もして最近は殆ど見られなくなった憧れのスピーカーだった。この喫茶店はそのスピーカーを店の名前にしていて、JBLオリンパスで50年~60年代のジャズを鳴らしているとのことだった。開店の11時45分に間に合うようJR御茶ノ水駅に降り、事前に調べてあった地図を頼りに目的地へ向かうが見つからない。狭い路地や同じ場所を何度も行ったり来たりしてようやく見つけた時には12時40分を過ぎていた。お店に入ると憧れのオリンパスが店の奥中央に鎮座していて5~6人の先客がいた。早速真ん中の良い席に座ろうとするとマスターが寄ってきて、一人客は端に座ってくれと言うではないか。また持参のカメラを見てここは撮影禁止だよと言われた。若いアルバイト店員がすまなそうに注文を取りに来たので、ハヤシライスとコーヒー(1,050円)を注文した。店はランチタイムの時間帯なので結構サラリーマンが出入りしていた。肝心な音楽はランチタイムのなのでジャズは小さく鳴らしていておしゃべりOKとの事。14時過ぎるとLPをガンガン鳴らすとの事でした。残念。今日は夕方から同窓会なので長居ができず、1時間ほどして支払いにレジに行くと、そこにはJBLの年代物のアンプがあってそれを使用し、LPプレーヤーはガラードとトーレンスで交互に鳴らしているとの事。マスターに話を聞くとこの店をやる前に全国を放浪して、札幌のジャマイカ(ジャズ喫茶店)にはよく行ったよ、懐かしいなあ、と言われました。次回は14時過ぎにおいでと言われ再会を約束して別れました。今日は満足なジャズは聞けなかったが喫茶店オリンパスは明るくとても良い雰囲気のお店でした。JBLオリンパスは思っていたのと違って小さく見えました。こうして波乱の1日目は終わりました。        人生黄昏

 

 

値上げ

久しぶりにヨーグルトを食べようと思い冷蔵庫を開けると、いつものヨーグルトが3個並んでいた。あれー、確か1個しか無かったはずだと思い、妻に聞くと「安かったから2個買ってきたよ」との返事。    日付の古い方から食べようと冷蔵庫から出すと、明らかに重さが違う。古い方はカビでも増殖して重くなったのかなと思い、よく見ると新しい方は50gも少ないではないか。そういえば乳製品4月から値上げラッシュとニュースでやっていたのを思い出し納得したが、内容量を減らして実質値上げしたのか。それならすぐ分かるように容器の大きさを変えてもらいたいと思った。

某製菓の板チョコのコマーシャルで、美味しさの決め手の一つに、ミリ単位で厚さにこだわっていると言うのがあったが、今回あっさり薄くして量を減らし実質値上げに踏み切っている。とするとあのコマーシャルはなんだったのか。 よくテレビのインタビュで関係者が、うちは値上げせず頑張っていますと、胸を張っているのを見るが、中身のランクを落としたり内容量を減らしたりしての価格据え置きは、実質値上げでないのと毒づいてしまう。

 値上げラッシュに、日銀、政府は喜び、庶民はため息をつく毎日です。                     人生黄昏