東京喫茶店巡り(その四)

今日は最終日、羽田発16時時のフライトなのでそれまで有効に時間を使いたいと思いホテルを早めにチェックアウトする。今日の予定は吉祥寺のメグとバロックである。新宿から吉祥寺まではJRで8駅だが、早く着いても開いていないので、遠回りして京王線で行くことにした。新宿から明大前で井の頭線に乗り換え吉祥寺までは14駅。運賃は驚く程安く195円だった。総じて東京の交通機関は安くて面白い。時間がたっぷりあるので吉祥寺の一つ手前の井の頭公園駅で下車し探索することにした。この公園は都民の憩いの場所で今日の天気は爽やかで家族連れやジョギングをしている人々が多数。池には噴水が沢山あって清々しい気分になる。ちなみに日本一住みたい街関東編では、吉祥寺が一位になったそうです。公園を探査しながらJR吉祥寺駅まで歩いていくと12時を過ぎたので早速ジャズ喫茶メグに向かう。ここも3年前に一度訪れているので迷うことなくすんなり到着。雑居ビルの2階へ上がっていくとシャッターが降りていて開いていない。がっかりしたが日曜日の開店は13時からかもしれないと思い直し、隣にある名曲喫茶バロックで時間を過すことにした。全国でも珍しくジャズとクラッシックの喫茶店が並んでいる場所はここしか知らない。中に入るとイギリスのヴィタボックスと言う名の大きなスピーカーが目に飛び込んできた。30年ぐらい前に札幌の喫茶店にも置いてあったが、最近は見かけることのない珍しいスピーカーでクラッシックによく合うと思う。隣にあったタンノイのスピーカーが小さく見えた。カウンターにLPレコードが積んであったが、誰もいない。声をかけたが誰も出てこないので泥棒と間違われないうちに退散する。隣のメグは3年前に訪問したときは、貸切状態で感激したことを思い出した。ドイツ製のアバンギャルドと言う名の真っ赤な洒落たスピーカーからジャズが流れていた。店番していた若い娘に聞くとコーヒーを1,000円に値上げしたら誰も来なくなったそうです。今時の学生さんはジャズを聴かなくなったと嘆いてました。オーナーの寺島晴国さんはオーディオ、ジャズ関する本を40冊ぐらい出していて喫茶店では食っていけないと本に書いていました。吉祥寺の駅に戻って駅前のレストランでパスタのセットを頼む。値段は1,650円で昨日の昼食の倍もしたのにあまり美味しくない。今日は何をやっても外れ。時計を見たらまだ羽田には余裕があったのでもう一度メグに挑戦する。2階に上がるとシャッターが上がっていて、ジャズが流れてきた。やったーと叫んでドアを開けると入口にいたオーナーの寺島さんに、今日は14時からだよ後で来て、と言われる。どうやらステージでどこかの楽団が練習しているらしい。そう言えばオリンパスのマスターが「メグは、喫茶店でなくてライブハウスだよ」と言っていたのを思い出す。14時まで待っている時間もないのでこれで喫茶店巡りは終りにし、吉祥寺を後にする。

今回の喫茶店巡りは計画通りいかず、まだまだ行きたい喫茶店も何軒かあったが、おかげさまで至福のひと時を過ごすことができた。ジャズ喫茶店はオーディオ装置に拘り、名曲喫茶店はインテリアに重きを置いていて、どちらもLPレコードをメインにしていた。今回の旅は、今流行の自分探しの旅と言えないこともない。又、チャンスがあったら挑戦したいと思う。            (写真は3年前のメグ)     人生黄昏  

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アバンギャルドのスピーカー
TTS_6472
LPレコードの数々

                  

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