先見の明 Ⅱ

今年のノーベル文学賞は、カズオ・イシグロに決まった。

3年ぐらい前に妻と一緒に本屋でミステリー本を物色していたら、めったに本を買わない妻にミステリー以外で何かお勧め本を教えてと言われ、カズオ・イシグロの“私を離さないで“を勧めた。私はカズオ・イシグロの本はいまだに1冊も読んだことが無く、しかも名前から推してアメリカに住む日系二世だとばかり思っていた。今回の受賞で彼が長崎生まれで5歳の時イギリスへ渡ってイギリス国籍を取得した作家と知った。受賞のニュースを見ていた妻が「この作家の名前どこかで聞いたことがあるよ」と言い出したので、「3年ぐらい前に”私を離さないで“を文庫本で買ったしょ」といったら思い出したらしく「読んだあと、後味が悪かった本だね。私はやっぱりハッピーエンドで終るほうがいいな」と言って、続けて「この本どこにあるかな」と言うので「もう一度読み直すの」と聞いたら「今すぐブック・オフに持っていったら高く売れるよ」。    何だそっちかよー。

ともかく私のおかげでノーベル賞受賞作家の本を3年も前に先読みできたのだから、私の先見の明に感謝したらと思うのだが。

今年も村上春樹が取れなかったけれど来年以降に期待しよう。

                     人生黄昏

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