パーヴォ・ヤルヴィ

 

少し前になるが指揮者のパーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団の首席指揮者に今年の9月から就任と、NHKのニュースで流れていた。ヤルヴィといえば今最も活躍している指揮者の1人でエストニアのタリン生れで現在52歳。父親はネーメ・ヤルヴィといって世界的な指揮者で弟も指揮者、妹はフルート奏者と、ヤルヴィ家は音楽一家である。パーヴォは2~3年前から音楽雑誌に取り上げられるようになって、私も何枚か購入していた。

そのときの印象はあまり良くなかったので、今回改めて聴きなおしてみることにした。ベートーヴェンの交響曲全集の中から「英雄」を真っ先に聴いたが、印象は前回と変わらなかった。{交響曲第3番英雄}は現在私が一番好きな交響曲で、調べてみると我が家にはLPが5枚、CDが23枚、DVDが1枚あった。パーヴォの「英雄」は私にはテンポが速すぎて音楽に浸ることができない。聴いているうちに落ち着かなくなる。演奏時間を調べると45分7秒と結構短い。ちなみにアバド、ベルリンフィルは46分33秒、ニコラス・アーノンクール、ヨーロッパ室内管弦楽団は47分49秒、ブルーノ・ワルター、コロンビア交響楽団は、50分1秒、ジェイムズ・レヴァイン、メトロポリタンは50分38秒、ダニエル・バレンボイム、シュターツカペレ・ベルリンは55分55秒。私の大好きな指揮者チェリビダッケ、ミューヘンフイルは57分7秒となっている。同じ曲なのにパーヴォとチェリビダッケでは実に12分もの差がある。私は早い演奏が嫌いなわけではなく、ちなみにベートーヴェンの4番はカルロス・クライバー、バイエルン国立管弦楽団が一番好きで、この曲はオケがついてこれないくらい早い指揮をしている。パーヴォのベートーヴェンは押しなべてどれもが早くベートーヴェンの序曲集も同じ印象だった。「英雄」のマイベストはいまだに決めかねている。ズビン・メータ、イスラエルフィルか、アバド、ベルリンフィルか、音の良さでバレンボイム、シュターツカペレ・ベルリンか。4番は先ほど述べたクライバーと、エフゲニ・ムラヴィンスキー、レニングラード・フイル(1973年ライブ)がマイベストで特にムラヴィンスキーを初めて聴いたときは鳥肌が立ったほどである。これにチェリビダッケを加えて3枚あれば4番は完璧と思います。話をパーヴォに戻して、3年間N響の首席指揮者を勤めている間にN響がどう変わっていくか楽しみである。音楽業界にとって久しぶりに明るいニュースとなった。人生黄昏

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ベートーヴェン序曲集
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ベートーヴェンピアノ協奏曲1番2番&4番
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ベートーヴェン交響曲全集

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