我が社の事務所は札幌市の郊外にあるので自然が豊かで四季折々の風景が楽しめます。 今年は冬の間、事務所の窓の外に毎日のように雄の雉が来てました。各々がひまわりの種やピーナッツを買ってきて窓から投げてやると嬉しそうにぴょんぴょんはねながら近寄ってくるがそれでも警戒してすぐそばまで寄ってこない。しかしその愛らしい仕草は事務所の人気の的となった。餌もエスカレートしてピーナッツは「中国産はだめだよ。千葉県産に限る」と高いのを買ってくる始末。 春になってツガイで来たのを最後に見なくなった。いい伴侶を見つけて良かったね。尻に敷かれるなよ。来年もまたおいで。

つい最近、某テレビ局で岩見沢の特集をやっていた。岩見沢出身の女子アナが雉を飼っている農家を訪ねて、雉を見つけて「かわゆーい」とかん高い声を張り上げていた。普段から雉を見ていた身としては、そうだろうとうなずいて見ていた。それからまもなく同じアナウンサーが雉の焼肉を食べて、「うーん、美味しーい」と言ったのにはびっくりした。人間が食べるために飼育されているので食べられるのは仕方がないがそれにしても「かわゆーい、美味しーい」はないだろう。 雉のご冥福をお祈りします。          人生黄昏               CIMG2456 CIMG2460

本買い

昨年暮れ、毎年年末に発行されるオーデオ雑誌を買いに本屋に行った。いつもの雑誌を手に取ってレジへ向かう途中に単行本の置いてあるコーナーに寄ると、ヘニング・マンケルの最新書が置いてあった。ヘニング・マンケルは5年ほど前に「目くらましの道」と言う奇妙な題名に惹かれて読んだのが始まりでデンマークの片田舎の警部が国際事件に巻き込まれていくスケールの大きい物語で、上記の本は警部クルト・ヴァランダーシリーズの5シリーズ目でCWAゴールドタガー賞を受賞していた。大変面白かったのでそれ以来1冊目から購入して、我が書籍棚には14冊(9シリーズ)が並んでいる。今回発刊された単行本は「北京から来た男」と言う題名で上、下とも1,600円(税抜き)になっていた。欲しいと思ったが基本的に文庫本しか買わないことに決めている(価格と場所を取る)ので、、文庫本になるまで待とうかと思ったが、早くても2~3年かかるし、正月も近いし買っちまいなと、天の声が聞こえ思い切って買うことにした。3冊で軽く5,000円を超えたので正月の小遣いを心配しながら、ふと隣の早川書房のポケミスのコーナーを覗くと今度は最近入れ込んでいるユッシ・エーズラ・オールソンの「特捜部Q」の最新号(5シリーズ目)があるではないか。これはデンマークの警察小説で、過去の迷宮入りの事件をエジプト人の助手とともに解決していく物語で助手がとてもいい味を出していて、今まで文庫本で3シリーズ購入していた。よく見ると4シリーズ目も並んでいるではないか。いすれも2,000円(税抜き)となっていた。この際思い切ってもう1冊買うことにして4と5のどちらを購入しようかと悩みに悩んだが、気が付くと2冊とも手に取ってレジに並んでいた。計5冊で1万円を超えてしまった。今まで1回の本の買い物で1万円を超えたことが一度もなかったので嬉しさ半分、反省半分で家路についた。玄関を上がると目ざとく本の袋を見つけた妻が中を覗き込んで一言「また読みもしない本をこんなに買ってきたの。そのうち二階の床が抜けるよ」

                               人生黄昏

 

 

お宝か

札幌にもようやく雪が積り年寄りには厳しい寒い長い冬に突入したが、少しだけ良いこともある。それは夏の間は閉め切った暑い部屋でパワーアンプから出る熱と戦いながら好きな音楽を聴くには体力を消耗し長時間聴くのは厳しかった。しかし今は部屋を暖めれば長い夜を音楽に浸りながら快適に過ごすことができる。

そんな訳で今日は普段あまり聴かないマーラーのLPレコードの交響曲を聴くことにしてレコード棚を探していたら大事に保管してあったそれが見つかった。

デビュー10年目の当時若手のジェームス・レバイン指揮するフィラデルフィア管弦楽団が演奏するマーラーのシンフォニーNO9で、このLPは1980年2月23日にハワイで購入したレコードである。

当時の物価は現在の1/3ぐらいだったと記憶しているが、LPの値段は今とあまり変わりなく、乏しい小遣では月1枚買うのがやっとで、マーラーのような2枚組が多いLPはなかなか買えなかったが、旅先での気持ちの高揚もあってか4~5枚のLPを買って大事に持ち帰った記憶がある。しかしこのマーラーのLPの他には何を買ったか全く覚えていない。

このLPだけ何故記憶に残っているかというと、帰国後このLPを聴いたとき、第一楽章を聴いて第二楽章を聴くためLPを裏返しにしたところ、なんと裏面は第四楽章になっていた。

びっくりして2枚目のLPを見たら第二楽章と第三楽章になっている。今まで買ったLPで第一楽章の裏面が第四楽章だったものはなかった。アメリカではこれが普通なのか。第一楽章を聴いて一旦LPを仕舞って二枚目を聴いてから又1枚目に戻るという面倒くさいことをやるのか。ひょっとしてレーベルの貼り間違いかとも思ったが、確かに裏面は第四楽章になっていた。

そうするとこれは珍品のお宝LPか。いやそんなことはありえないし聞いたこともないなどと、当時悩んだことを思いだしながら聴いていると廊下を隔てた向かいの部屋から、”うるさくて寝れないから音を小さくして” と、妻の怒鳴り声。               人生黄昏

 

感動

帰宅する車のラジオからヘレン・メリルのユード・ビー・ソー・ナイス・ツウ・カム・ホーム・ツウが流れていた。

何の気なしに聴いていたが声に艶があって若々しく聞こえた。 やがてピアノ、ベース、ドラムの掛け合いに変わってしばらくしてトランペットが加わった。

そのトランペットを聴いてあっと思った。このトランペットの演奏者はクリフォード・ブラウンではないか。

そうするとこの歌はあの有名なアルバム、1955年録音のヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウンのアルバムに入っている歌だ。

それにしてもこのトランペットの演奏は凄い。なんて凄いテクニックだろう。完璧な演奏だ。 聴いているうちに目頭が熱くなり思わず天を仰いだ(運転中ごめんなさい)。

彼は翌年若干25歳で交通事故に遭って 亡くなっている。演奏テクニックは当時4歳年上のマイルス・ディビスより凄いと言われていた。 彼が長生きしていたら、ジャズ界の帝王マイルスとの関係はどうなっていただろうなどと、あれこれ考えながら家に着いた。

早速レコード棚を探すと大切に保管してあったLPを見つけた。

家のオーデオで改めて聴いてみたがもう先ほどの感動は 起らなかった。

感動は時と場所を選ぶものか。

夕食時に妻に感動した話をしたら、一言、「単に歳をとって涙もろくなっただけの話でしょ」。    人生黄昏

千歳航空祭

8月3日千歳航空祭に行ってきました。今回は3年ぶり6回目の参加です。

5時に起きて朝7時にJR南千歳駅前に着く。7時半発のシャトルバスに乗って良い撮影場所を確保しょうと思ったらもう長蛇の列。

ちよっと考えが甘かったか。

それでも8時過ぎには会場に着いて、端ではあったが1番前の席を確保。

曇天ではあったが雨は降らずそのうち晴れることを期待して待つ。

ほとんどのプログラムは悪天候のため変更されて簡略されていた。

午前最後のF-16機動飛行は、さすがはアメリカ人のパイロット魂。低い雲をものともせずアクロバット飛行を繰り返し、すざましい音とともに観客のど肝を抜いて予定の20分をフライトした。

あまりに早くてカメラのピントが追いつかない。

お昼になると日差しが出てきて午後のブルーインパルスのショーに

期待がかかる。

後半は一時半に始まったが、通常オープニングの貴賓席に向かってライトを付けて編隊での挨拶フライトがない。

その後6機編隊でのフライトが3~4回あって、さあこれからアクロバット飛行が始まるぞと期待に胸を躍らせたら、悪天候のためこれで終わりとのアナウンスがあり。

がっかりして帰り支度をしてシャトルバス乗り場へ急ぐとこれまた長蛇の列。

しばらく様子を見ていたが全然動く気配無し。

仕方がなくJR南千歳まで歩くハメになった。

カメラが3台入っているリュックが肩にずっしりと重くのしかかる。

疲労困憊してようやく家にたどり着くと、妻の一言。

「顔が随分汚く焼けたね」。     人生黄昏

 

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F-16着陸
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アクロバット中のF-16
TTO_7846
アクロバット中のF-16
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ブルーインパルスのパイロット達
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2009年のブルーインパルス
TTO_8124
ブルーインパルスの編隊飛行
HNB_0688a
2009年のブルーインパルス

 

女性が長生きな理由

数日前、会合があって早めに自宅を出た。

地下鉄にもすぐ乗れて会場へ行くにはちょっと早すぎたので、久しぶりに有名なジャズ喫茶に寄った。

店には中年の男性客が5人くらいいて、それぞれがコーヒーを飲みながら音楽雑誌を読んだり、

週刊誌を見たりしながらジャズに浸っていた。

私も空いている席の中から程よい場所を確保し、コーヒーを注文してしばしの間

ジャズを堪能することにした。

10分ぐらいたった頃、突然騒がしい音がして中年の女性が二人、

店に入ってきた。

二人は真ん中の席を陣取と、鳴っている音楽に負けない音量で

おしゃべりを始めた。

周りの男性客は一斉に非難の目を向けたが、当人達は気付く様子もなく

(気づかぬふりをしているのか)、又お店の人も売上の減少を恐れてか、見て見ぬふりをしていた。

やがて前から居た三名の客はジャズを聴くのを諦めて帰っていった。

私もまだ少し時間があったが諦めて店を出た。

会合場所へ向かう道すがら、全く周りに気を配らない女性が最近多くなったと

思い、女性が長生きする理由が解ったような気がした。     人生黄昏